2018年02月04日

椎名耳かき店の短編集発売しました

椎名耳かき店の本作ってみました。
Amazonの電子書籍で発売中。
お値段は99円です。

書き下ろしで5本。
第一話 耳垢を押し込んでいたお客様
第二話 耳がかけていたつもりのお客様
第三話 耳毛の出ているお客様
第四話 耳穴が塞がっていたお客様
第一話・お店編 耳垢を押し込んでいたお客様
です。
お店編は耳かきをされる側でなく、耳かきをする側の視点で書かれています。

お手に取って頂けたら、とてもとてもうれしいです。
無料サンプルもあるので、気が向いたらそれだけでも見てやってください。
どうぞよろしくお願いいたします。




耳かきブログに応援の一票を→人気ブログランキング
更新の励みになります





posted by みなと at 21:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 耳かき小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月04日

Kindleで椎名耳かき店出しました。

AmazonのKindle版で椎名耳かき店を出してみました。
新しく書いたものです。今、スマホから記事書いてるので、うまくリンクできてなかったらすみません。
気が向いたら無料サンプルだけでも見てやってください。
posted by みなと at 01:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 耳かき小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月01日

椎名耳かき店 家族編 姉弟耳かき 花梨と葵

椎名耳かき店の店主、椎名香澄の妹と弟、花梨と葵の話です。
内容はいつも通り耳かきですが、お店だと出来ないので、今回は膝枕耳かきになっています。

--------------------

「ただいま」
 家に戻ってすぐ、椎名花梨(しいなかりん)は首を軽く傾けて、トントンと耳のそばを叩いた。
 細い薄茶のツインテールを靡かせながら、眉根を寄せて、花梨は一人呟いた。
「……うん、やっぱりついてる」
 花梨が耳かきを取り出し、耳をかこうとした時、玄関のドアが開く音がした。
「……ただいま」
「いいところに帰ってきたじゃない、葵(あおい)!」
 弟の声を聴きつけた花梨は玄関に走った。
 玄関には少し長めの黒髪をした、目元の涼やかな細身の少年が立っていた。
「ああ、花梨、帰ってたんだ」
 黒曜石のような瞳を花梨に向けぬまま、葵が話す。
 花梨はアーモンド色の瞳を三角にし、弟を叱った。
「花梨お姉ちゃん、でしょ! それより葵、いい時に帰ってきたわ」
「……何?」
 めんどくさそうに葵が姉に一瞥をくれる。
 しかし、温度のない弟の言い方に慣れっこなのか、花梨は制服いっぱいに広がる胸を張り、弟に要求した。
「あたし、今、耳が痒いのよ。かいてちょうだい」
「……香澄姉(かすみねぇ)に頼めばいいじゃん」
 断ってさっさと部屋に入ろうとする葵の服を、花梨がガシッと捕まえる。
「香澄姉はお仕事忙しいんだし、だいたい仕事で耳かきしてるんだから、疲れてるのに身内の耳かきなんてさせたら悪いでしょ」
「オレも学校で疲れてるんだけど……」
 葵の細い指が花梨の手を離そうと動くが、花梨は白い指を赤くしながら、必死に葵を捕らえた。
「あたしも疲れてるわよ。だからほら、お姉ちゃんを癒しなさい!」
 花梨が問答無用で耳かきを突きつける。
「ほら、居間行くわよ」
 弟の返事も聞かぬまま、花梨が長い足でズカズカと居間に入っていく。
 葵はあきらめて、学ランの襟元を緩め、姉の後ろについて行った。
「電気の下が見えやすくていいわよね。えと、座布団とクッションどっち用意する?」
「膝でいい」
 葵は短く答えて、荷物を下ろした。
「あら、膝枕してくれるの? いいわね〜。膝枕で耳かきって、また違う醍醐味があるわよね〜」
 ニヤニヤ笑う姉を、黙っていれば美人なのにと思いつつ、葵は冷静に答える。
「膝のほうが角度が付けやすい」
「もう、夢がないわねぇ」
 そんなんじゃモテないわよと言う姉の言葉を無視し、葵が耳かきの準備をする。
「正座と胡坐どっちがいい?」
「葵の見やすいほうでいいわよ」
姉の返事を聞き、少し考えた後、葵は胡坐をかいて座った。
「はい。それじゃ始めるよ」
「オッケー」
 花梨が楽しげにコロンと葵の膝の上に転がる。
「どう見える?」
続きを読む
posted by みなと at 16:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 耳かき小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月10日

椎名耳かき店 三人目のお客様・大きな耳垢のお客様

3作目です。行間が空いてると見づらいかなと思い、今回は詰めてみました。

----------------------------------------

 耳かきを入れるとバリバリっと音がする。
 それを繰り返して今日で5日目。
「ああっ! もう!」
 俺は苛立ちを覚えながら、耳かきを置いた。
「音はするのになあ」
 小指を耳の中に入れると、やっぱり耳垢に触れる気がする。
 しかし、触れはするのに、取ることができない。

「もしかして、逆に押し込めているのか?」
 なんか耳かきをいつもしていると、耳垢を奥に押し込んでしまっているとテレビでやっていた気がする。
「どうしたもんかなぁ……」
 また気になって小指を耳に入れかけるが、それをするとまた耳垢を押し込んでしまいそうで、慌ててやめた。
 痒い耳を抱えながら、その日は眠りについたものの、次の日もやはり痒かった。


続きを読む
posted by みなと at 22:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 耳かき小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月01日

椎名耳かき店 二人目のお客様・耳毛の多いお客様

すっかり遅くなりましたが、耳毛剃りの小説を。
良さが少しでも伝わったらうれしいです。

------------------------

「もう、お父さんの耳は毛が多すぎて見えません!」

妻がそう言ってさじ……ではなく、耳かきを投げた。

「そんなに多いかねぇ」

そう言わずにかいてくれればいいのにという思いを込めて呟く。

すると、妻が不満そうな表情を浮かべた。

「段々、年と共に耳毛が増えてきてるんですよ。白髪交じりの耳毛が」

耳毛まで白髪になってきたかと苦笑しつつ、立ち上がる。

「それじゃ仕方ない。床屋にでも行ってくるわ」

最近は安い1000円カットばかり行っていたが、昔、良く行っていた床屋がある。

「あの床屋、耳毛剃りうまかったからな」

靴を履いて出ようとすると、妻が見送ってくれた。

「車には気を付けて。いってらっしゃい」

「いってくるよ」

私は店の場所を思い出しながら、床屋に向かった。

「おや……」

床屋があった場所を見上げて、私は首を傾げる。

『椎名耳かき店』

店の看板にはそう書かれていたのだ。

「おかしいな……」

しかし、店構えは昔の面影がある。

首を傾げたまま、私は店の扉を開いた。

「いらっしゃいませ」

扉につけられた鈴の音と共に出てきたのは、二十代半ばくらいの女性だった。

「あの、ここ確か床屋だった気がするんですが……」

私の問いかけに女性は申し訳なさそうな表情を浮かべた。

「すみません。実は事情がありまして、今は耳かき店になっているのです」

「そうなんだ。それは残念だな……耳毛剃りと耳かきをしてもらおうと思ったのに」

せっかく来たのにと落胆していると、女性は柔らかい微笑みを見せた。

続きを読む
posted by みなと at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 耳かき小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月01日

椎名耳かき店

※他にも椎名耳かき店のシリーズをpixivに上げております。よろしければご覧ください。

「おかしいなあ、カサカサと音はするんだけど」

 男は小指を耳につっこんで、グリッと回した。

 しかし、引き抜いた指には少しのカスがついてくるだけで、音の元であると思われる耳垢はくっついてこなかった。

「う〜ん、入ってると思うんだけどな」

 そんな風に気になりながら、三日が過ぎた頃、男はある店を見つけた。

『椎名耳かき店』

 看板に書かれた文字と店の外装を交互に見ながら、男はしばし思案した。

「耳かき店……?」

 そんなものがあるんだろうか。
 でも、どこかで聞いたような気がする。

 男がそう思ったとき、耳の中でまたもや耳垢がカサッといった。

「…………」

 もしかしたら、ここ数日悩んでいた耳垢を取ってもらえるかもしれない。
 男はあまり期待を抱かず、その店の扉を開けた。


続きを読む
posted by みなと at 21:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 耳かき小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする